2022年7月9日午前、花を手にした張さんは医療スタッフの見守る中、小湯山臨時病院を離れ、回復して退院した最後の感染者となった。

この時点で、小湯山臨時病院は「患者死亡ゼロ、医療スタッフ感染ゼロ」の「ダブルゼロ」目標を達成したことになった。感染者が全員退院した後は、流行の状況に応じていつでも緊急対応し、治療を保障する体制を整える予定である。

また、張さんは退院前に、党と政府、そして医療スタッフへの感謝の言葉を綴った手紙を書いた。

コロナ流行に備え、積極的に対応するため、北京市は2021年11月に小湯山病院の緊急改修を開始し、1カ月かけて濃厚接触者などの隔離者を受け入れる「ヘルスポスト」に改造した。

今年4月下旬、北京市は無症状や軽症の感染者を集中的に治療するため、小湯山「ヘルスポスト」を臨時病院に改造することを決め、5月1日に正式に利用を開始し、午前4時7分に最初の陽性患者を収容した。7月9日現在、利用開始から70日、3つの隔離エリアを開設し、合計1,130人の感染者を受け入れた。感染者の最高齢は61歳で、最年少は8歳だった。

小湯山臨時病院は首都医科大学付属の北京佑安病院の管理で利用されていた。利用期間中、市党委員会・市政府の指示・精神を断固として実行し、北京市衛生健康委員会と北京市病院管理センターの指導のもと、人民第一、生命第一の理念を堅持していた。

臨時病院は「以院包区(各病院がそれぞれ1つのエリアを担当する)」という医療スタッフの配置計画と「压茬(段階を踏んで隙間なく実行する)管理」という管理理念を実施していた。北京佑安病院、北京小湯山病院、北京児童病院、首都小児科研究所付属児童病院、北京大学第一病院など12の病院が医療チームを第一線に送り、合計324人の医療スタッフが力を合わせて疫病と闘った。

医療治療業務においては、漢方医学と西洋医学の融合の利点を最大限に生かし、漢方医学と西洋医学の相乗効果、辨証(漢方医学の診断法を用いて、患者の複雑な症状を分析・総合し、ある性質(証・証候)を持っていると判断する)・施治(漢方医学の原則に従って治療法を決定する)を堅持した。院内感染防止・制御の面では、指導部の院内感染制御チームと隔離エリア感染制御専門家によるリスクポイントの二重監視システムを構築し、24時間体制の二重監視モデルを形成して、医療・看護スタッフの感染ゼロを保証した。

小湯山臨時病院は利用開始以来、軽症・無症状感染者に対して、人間味あふれる治療と心温まるサービスを積極的に行った。心理的介入が必要なハイリスクな隔離者に対して、負の感情を和らげるために心理的介入を行った。医療スタッフに心理カウンセリングを行い、気配りや心配りを強化した。受験生に一人部屋を提供し、専用試験室を設けた。母子・夫婦同居を認めた。感染した子どもたちは病棟でいつもと違う国際子どもの日(6月1日 記念日)を過ごした。高齢者介護サービスはどこでも受けられた。隔離された人々は誕生日にお祝いの言葉と美しい贈り物をもらい、端午の節句には甘い粽を食べた。

感染した人々の退院とともに、臨時病院には医療スタッフへの深い感謝の気持ちを込めた素朴で誠実な手紙が何十通も届いていた。
