北京では毎年秋口が蚊の活動期となります。「立秋」以降、適温になると、蚊は繁殖のピークを迎え、産卵と繁殖に必要な栄養を確保するためにより多くの吸血活動をした結果、蚊に刺される回数が増え、血を吸う回数も増えます。民間では「八月八蚊子嘴開花(旧暦8月8日(太陽暦9月・10月)に蚊の口(血を吸う口)が真ん中で割れて血をより多く吸う)」「秋后蚊子猛如虎(秋になると蚊が虎のように猛し)」などと、秋になると蚊の活動が活発化する現象を表現しています。
蚊に刺されると、蚊媒介感染症に感染する可能性も高いです。例えば、マラリアはアノフェレス蚊(羽斑蚊)に刺されることで感染する血液寄生虫病で、中国語では「冷熱病(発症時に全身に悪寒と発熱を伴う)」、「打摆子(発症時に全身が震える)」、「発疟子(発症時に突然の悪寒と高熱を伴う)」と呼ばれることが多いです。発症は通常、刺されてから10~20日後です。発症に先立って、疲労、倦怠感、食欲不振がみられることが多いです。発症は悪寒期、発熱期、発汗期、間欠期の4段階で特徴づけられます。また、蚊に刺されると、高熱、意識障害、髄膜刺激症状などの臨床症状を伴う流行性脳炎Bを引き起こすこともあり、深刻な健康リスクをもたらします。
蚊の活動が活発化する秋、次のような対策で身を守ることができます。
1、蚊の繁殖場所を積極的に清掃します
屋内と屋外の衛生状態を改善し、あらゆる種類の廃棄物やゴミを取り除き、蚊の生息地を減らします。家で水生植物を育てている場合、毎週水換えをします。家の周りにある遊休品は、水が溜まらないように撤去するか、逆さまにして保管します。
2、家の中の蚊の予防と駆除をしっかりと行います
一、蚊の侵入を防ぐ設備を整え、家の網戸や窓を点検・修理します。二、蚊帳、電撃殺虫器(殺虫灯、殺虫ライト)、蚊取りラケットなど、物理的な方法で撲滅します。三、使用法を正しく理解した上で、液体式電気蚊取り器やエアゾール缶でも蚊の成虫を殺すことができます。
3、外出時に蚊対策をしっかりと行います
北京救急センター(120)のアドバイス:屋外で活動する場合、浅い色の服、長袖の服、長ズボンを着用し、忌避剤(虫よけ)を塗ったり、蚊除け効果のある成分の入った花露水(漢方成分をベースに作られた中国の虫よけスプレー兼かゆみ止め)を使ったりすることで、蚊を効果的に予防することができます。蚊に刺された場合、速やかに刺された部位を洗浄・消毒してください。めまい、脱力感、寒気、発熱、その他の不快な感覚を感じた場合、症状が悪化しないよう、できるだけ早く病院に行ってください。