冬は初雪が降ると、地面が滑りやすくなり、さらに氷も張るので、転倒しないように外出には注意が必要です。高齢者は転倒の危険性が高いので、より一層注意が必要です。高齢者や骨粗鬆症患者における二次的骨折のリスク要因として、転倒や転倒による怪我は最も致命的なリスク要因であると言われています。普通の転倒でも、高齢者や骨粗鬆症患者が転倒すると、心筋梗塞や脳卒中と同じようなダメージを受けることがあります。
高齢者の転倒は、「人生最後の骨折」といわれる股関節骨折につながる可能性があり、死亡率は20~30%、受傷前の運動能力を回復できない人が42%、自立歩行ができない人が35%にものぼります。転倒しても大きな怪我をしない高齢者の中には、間違った起き上がり方による二次的な怪我で、症状が悪化している人もいます。脳血管障害の後遺症がある患者はすぐに起きると、脳の酸欠や虚血の症状が悪化することがあります。また、すでに関節や骨に損傷がある場合、勝手な移動は脱臼の原因になったり、骨折を悪化させたりすることもあります。
120によるアドバイス:転倒後数分間、それ以上怪我をしないように、勝手に動かさないようにしてください。まず、手足、腕、腿や脛をゆっくり動かして、痛みや動きの制限がないかどうかを判断します。怪我をしていなければ、ゆっくりと体の向きを変え、這うような姿勢になり、手と膝で体を支えながら、近くにある椅子などの安定したものに向かって這い、それを支えに、ゆっくりと立ち上がり、しばらくそれに寄りかかってから普通に移動します。全体のプロセスは非常にゆっくりと行う必要があります。怪我をした場合、落ち着いて怪我をした箇所を確認し、助けを呼ぶか、近くにあるものをつかんで床や家具にぶつけて周囲の人の注意を引きます。可能であれば、120番や家族に電話して助けを求めてください。助けを待つとき、毛布や服など手の届くものを使って、体を快適に温めるようにします。
転倒したとき、この2つの動きを覚えておきましょう。1.近くの安定したものにつかまります。2.手で地面を支えます。手で地面を支える場合、手首の関節を痛めることが多く、尺骨遠位端骨折や橈骨遠位端骨折になることがありますが、尻の着地による股関節骨折に比べると、怪我の程度や治療・介護の難易度ははるかに低く、致命的な合併症の心配もほとんどありません。
