毎週救急話題:ろれつが回らない高齢者
ソース:北京市衛生健康委員会
日付:12/09/2022

最近、北京120救急隊は「患者はろれつが回らない」との通報を受けました。医師は現場に向かう途中で家族に連絡を取り、家族から「老人がトイレで気を失い、目が覚めたらろれつが回らなくて手足が動かなくなっていた」と聞かされました。これにより、医師はこの患者が脳血管障害を起こしているのではないかと推察し、すぐに看護師に関係器具を持ってくるように伝え、患者の家で治療する準備をさせました。現場に到着すると、患者は浴室から居間の椅子まで家族に運ばれ、手を振って何かを表現しようとしていましたが、口はもごもごして、はっきりとした言葉は出ず、身体もじっと座っていられない状態でした。医師は「血圧と血糖値、早く!」と素早く指示を出し、看護師はすぐに検査しました。転倒を防ぐため、医師は家族に患者を仰向けにするよう指導しました。検査の結果、血圧は大した問題がなくて、血糖値は2.9mmol/Lでした。それに対し、医師は直ちに「静脈アクセスを確立し、50%ブドウ糖を20ml静脈内投与せよ」と指示しました。ブドウ糖液をゆっくり押し込むと、患者は次第に意識が戻り、はっきりと言葉で表現できるようになりました。問診の結果、この患者は最近、いつものインスリン注射を変えただけでなく、食事も自分で調整していたことが判明しました。患者自身は医療関係者を退職していたにもかかわらず、これ以上検査するために病院に行くのは嫌だと言い出しました。血糖値の回復が不安定なのかを心配したため、救急隊員はしばらく患者に付き添い、何度も血糖値を測り直しました。血糖値が正常に戻ったことを確認した後、健康教育を実施し、病状が寛解したと判断してインフォームドコンセントにサインをもらってから帰りました。

120救急隊によるアドバイス:家族の中で高血圧や糖尿病の既往がある高齢者がいる場合、自宅に血圧計と血糖測定器を置くことをお勧めします。高齢者はめまい、油汗、ろれつが回らないなどの症状が出たら、すぐに検査します。血糖値が3.9mmol/Lを下回ると、糖分を多く含む食品を摂取することですぐに緩和されます。脳血管障害の既往がある場合は、早めの受診で後遺症の発生を抑えることができます。糖尿病の患者は医師の指示に従って薬を調整し、特に血糖値を下げる薬を変更したときの体の変化に注意し、薬の摂取量に応じて食事を調整することが必要です。