最近、北京救急センター配車指令センターに一酸化炭素中毒の疑いがある電話が数件かかってきた。一酸化炭素は無色無臭で、知らず知らずのうちに気道に侵入し、肺胞のガス交換を介して血液に入り、全身に広がって血液中の赤血球と結合すると、赤血球はもはや酸素と結合することはできなく、血液中の酸素含有量が大幅に低下することで、酸欠と中毒を引き起こす。一酸化炭素中毒の発症時期や重症度は、室内の一酸化炭素濃度や中毒者の年齢と密接に関係する。若い人は高齢者よりも敏感で、妊婦や肥満の人、慢性的な心臓病や肺疾患のある人も中毒しやすいとされている。中枢神経系は酸欠に最も敏感であるため、最初に影響を受けて中毒症状が現れる。軽度中毒の場合、頭痛やめまい、動悸、吐き気、嘔吐などの症状が現れるが、毒のある環境を直ちに離れて酸素や新鮮な空気を吸い込めばすぐに改善する。中度中毒の場合、上記の症状は悪化し、顔面の紅潮、桜ん坊のような赤みのある唇、発汗、イライラ、昏睡状態などの症状が併発する。重度中毒の場合、中毒者は意識がはっきりしなく、呼びかけに反応できない。また、失禁状態、四肢の冷え、瞳孔の拡張、血圧の低下、呼吸の弱さや停止、手足の硬直や無力、心電図上の心筋障害や不整脈などの症状がある。積極的な緊急処置で命を救われても、麻痺、痴呆症、痙攣、精神異常などの重篤な後遺症を残すことが多い。昏睡状態が長くなればなるほど、後遺症が深刻になってくる。
冬は一酸化炭素中毒の多発時期である。セントラルヒーティングに加入していない家庭、特に農村では、暖房用の石炭を燃やすことは今でも欠かせないが、使用方法を誤ると一酸化炭素中毒を起こす可能性が高い。暖房用石炭を利用する場合、換気口を正しく設置し、換気に注意する必要がある。一酸化炭素中毒の人を見つけたら、できるだけ早く毒のある環境を離れ、すぐにドアや窓を開けて換気すると同時に、直ちに120通報して助けを求める。
