毎週救急話題:冠状動脈疾患の患者は夏に注意すべきこと
ソース:北京市衛生健康委員会
日付:06/28/2020

  通常、冬は冠状動脈疾患と脳血管疾患が発生しやすい季節であると思われるが、臨床研究によると、夏も冠状動脈疾患が発生しやすい季節である。夏に冠状動脈疾患が発生しやすい原因は以下の通りである。1、夏が蒸し暑くて湿度も高いため、血管が拡張して肢体の血管の血流量が増えるが、心臓に戻る血液量が減ることで、心筋虚血を引き起こす。2、夏は昼が長いが夜が短いため、中年の人と高齢者はのぼせたり、イライラしやすくなったり、何度も寝返りをうっても寝付けなかったりして、睡眠不足になる。夏の日照時間が長いため、視床の松果体は昼で長時間に休眠状態になることで、睡眠をもたらすメラトニン(MT)の分泌を減らして生物時計のリズム変更による不眠を引き起こす。メラトニンは生物時計をコントロールして睡眠をもたらすほか、フリーラジカルを除去し、脳心血管を保養することもできる。夏の暑い環境で、睡眠不足による交感神経の興奮は心拍の加速、血管の収縮、血圧の上昇を引き起こす同時に、苛立ったり、発汗量が多かったりして体液を大量に流失した結果、血液粘度の上昇による脳心血管の梗塞、冠状動脈の供血不足を引き起こす。夏は気温が高く、湿度が高く、空気中の酸素含有量が低いため、心筋酸欠による心臓病を引き起こしやすい。冠状動脈疾患の典型的な症状は胸痛であるが、時に呼吸困難、吐き気、大量発汗を併発することもある。その症状は数分続くが、15分で緩和できるのが狭心症である。30分以上でも緩和できない場合、急性心筋梗塞の可能性があると考えて、直ちに専門病院を受診しなければならない。ハイリスク群または冠状動脈疾患の患者と診断された人はニトログリセリンを身に携帯する必要がある。胸痛を発作する時に服用して症状を緩和する。一粒で症状を緩和できないと、もう一粒を服用してもよいが、最多で三粒を服用できる。それでも効果がないと、できるだけ早く救急番号120をかけて専門者に救助を求める必要がある。発症すると、運動をやめて体を休め、救急チームを待って病院に行く。